こんにちは、サクです。
先週の株式相場を振り返ります。
一週間を通じてTOPIXは小反落、米国はS&P500が金曜日に大きく下げました。
ナスダックも下げましたが、S&P500ほどではありませんでした。
長期金利が1.5%を上回る場面もありましたが、1.4%台まで戻しており、安定していることが要因なのではと思われます。
騰落率
- TOPOX:▲0.4%
- S&P500:▲1.9%
- ナスダック:▲0.3%
- 米国債10年:1.443%
長期金利が落ち着きを取り戻すとグロース株も戻り基調になっています。
マイポートフォリオも若干ですがプラ転で終わることできました。
米連邦公開市場委員会(FOMC)
先週は米連邦準備委員会(FRB)が6月15-16日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まりました。当局者が量的緩和縮小(テーパリング)に関する議論を開始したかどうかや、インフレ加速を懸念しているか=金利を上げる方向性についてどのような議論をされたかが焦点となりました。
声明をざっくりとまとめると
インフレは一時的な姿勢は崩さず
2023年の利上げを前提に議論(FOMCメンバーの中央値)
金融政策は現状維持
テーパリングの議論を始める議論をし始めた
という感じでしょうか。
パウエル議長も市場との会話には相当神経を使っているようです。
2013年に当時のバーナンキ議長がテーパリングを示唆した時は、金融市場にかなりの動揺が走り、バーナンキショックとかテーパータントラムと呼ばれました。
まぁ、パウエルショックとか呼ばれるのは嫌ですからね、今回は上手く乗り切った感があります。
声明を受けて長期金利が1.5%を上回る場面もありましたが、また割り込んで落ち着きを取り戻しています。
日本にも大きく影響を与えますので、今後のFOMCの内容には注視する必要がありますね。
株価と金利の関係
そもそも株価と金利(債券利回り)の関係はどうなっているのでしょうか。
株価と金利
株価と金利は密接な関係があります。
一般の金利が下がれば株価が上がり、金利が上がれば株価は下がります。シーソーのような関係にあるのです。
好景気になることは経済には良いことですが、物やサービスの価格が上昇するインフレーションが起きやすくなります。中央銀行は過度なインフレを抑えることが使命ですので、金利を上げることによって経済を落ち着かせて、インフレを事前に回避させるのです。
ですので、景気回復局面では株価上昇しながらも金利を少しづづ上げていき、調整をしながら程よい感じで上昇していくのが望ましくなります。金利が上がるからダメというわけではなく、急激な金利上昇が株価に悪影響を及ぼすことになるのです。
金利(利回り)
金利(利回り)は、債券価格が下がると金利が上がり、債券価格が上がると金利は下がる関係があります。
金利と企業価値の関係
企業価値評価(バリエーション)
企業価値評価(バリエーション)に使われる指標の一つに「WACC(加重平均資本コスト)」があるのは、診断士試験を受験されている方はご存じでしょう。
企業の資本コストは、負債コストと株主の自己資本コストを加重平均することによって計算することができ、WACC(加重平均資本コスト)と呼ぶ。
企業価値を考えるときDCF法を活用します。
DCF法とは、企業が株主や債権者に還元できる収益(フリーキャッシュフロー:FCF)を将来にわたってわたって予測し、その合計から企業価値を算出する。
計算式は、ざっくり以下となります。
企業価値=FCF/WACC
分母(資本コスト)が大きくなると企業価値小さくなることを意味します。
金利が上昇すると
負債コスト上昇(銀行等からの借り入れ利息が増加)
株主資本コスト上昇(株主の期待収益率上昇)
となり、資本コストが上昇するということになります。
グロース株への影響
グロース株は今後成長を期待されている企業群です。したがって成長率織り込む必要があります。
企業価値=FCF/(WACC-成長率)
成長率が高いほど、分母が下がり企業価値が上がるという算段です。
ここで金利が上がると分母が上がりますし、決算を外して成長率の鈍化が見られると分母が上がります。
グロース株は成長期待から割高に取引されています。そのため金利上昇局面などでは株価への影響が大きくなりやすいのです。
一方バリュー株は、そもそもFCFや成長率を意識して株価形成されていないので、金利が上がっても資産価値が目減りすることがあまりないので影響は比較的受けにくくなります。
まとめ
金利は株価に影響を与えることがご理解されたと思います。
株価をチェックするより長期金利をチェックしろともいわれています。株価を形成する要因は金利だけではありませんが、大きく影響するのは間違いないです。
資産形成を行っていくには株式の組み入れは必要となってきます。長期投資のスタンスで考えると目先の金利に右往左往する必要はないとは思います。ただし実際に株価が乱高下すると不安になってきますので、このようなメカニズムでも株価が動くということを知っているだけでも次の手が打ちやすくなります。