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【要約】世界標準の経営理論⑦ 知の探索・知の深化の理論 1

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【要約】世界標準の経営理論⑦ 知の探索・知の深化の理論 1

こんにちは、サクです。

今回は、世界標準の経営理論(入山 章栄著 ダイヤモンド社)についてご紹介します。

ボリュームが多い本ですので、今回は知の探索・知の深化の理論、つまり「両利き経営」についての要約です。

イノベーションと組織学習

イノベーション・組織学習に関する理論は認知心理学を基礎においたカーネギー学派の影響を受けています。

カーネギー学派とは、企業行動理論(behavioral theory of firm : BTF)や知の探索・知の深化の理論の総称のことです。

イノベーションと組織学習に違いは何か。

「何かを経験することで学習し、新しい知を得て、それを成果として反映させる。」という点では同義となります。

学習の結果、新しく得られた知の成果が極めて革新的ならイノベーション、改善のレベルなら組織学習という差になります。

そして組織学習とは「経験の関数」として生じる「組織の知の変化」と定義でき、組織学習のキーワードは

・経験(experience)
・組織の知の変化

と考えられます。

要は、

イノベーションは「知の探索」という経験を通し、新しい知を生み出す(=組織の知を変化させる)ととらえられます。

組織学習の循環プロセス

組織学習の循環プロセスは下記の図のように表せます。

この循環プロセスは、

・組織・人・ツール
・経験
・知

という3つの要素で構成され、各要素をつなぐ3つのサブプロセスに分解できます。

サブプロセス① 組織・人・ツール ⇒ 経験

組織・人は何らかの意図を持って行動する。行動した結果、「経験」する。
「知の探索」が当てはまります。

サブプロセス② 経験 ⇒ 知

組織はその経験を通じて、新たな知を獲得する。
そして知の獲得には3つのルートがあります。

 1.知の創造:組織は経験を通じて新しい知を生み出す。

 2.知の移転:人・組織はみずから知を生み出さなくとも、外部から知を手に入れることができる。

 3.代理経験:新しい知の獲得は、組織自身の経験だけから得られるとは限らない。他者の経験を観察して学ぶことができる。

サブプロセス③ 知 ⇒ 主体

新しく生み出された知は、何らかの形で組織に記憶されなければならない。知の保存と知の引き出しが必要。

結局のところ、知の探索・知の深化とは何かというとサブプロセスを通して、

 新しい知を求めるのが「探索」
 今持っている知をそのまま活用するのが「深化」

ということになります。

両利きの経営

なぜ知の探索と知の深化がイノベーションに重要なのか。それは

新しい知とは常に、「既存の知」と別の「既存の知」の『新しい組み合わせ』で生まれるからなのです。

しかし人・組織では人の認知には限界があるという課題が発生します。「今認知できている目の前の知同士だけ」を組み合わせる傾向があるからです。

人・組織が新しい知を生み出すために必要なことは、

「自分の現在の認知の範囲外にある知を探索し、それをいま自分の持っている知と新しく組み合わせること」 = 知の探索

です。

一方で商売のタネになる可能性があれば、

そこを徹底的に深掘りし、何度も活用して磨き込み、収益化する必要 = 知の深化

しなければなりません。収益化する必要があるからです。

この2つをバランスよく実施していく必要があるのです。

日本企業の課題

多くの企業、特に日本の企業は頭の中では理解していても、なかなか実践できていません。なぜなら、

知の探索は経済的、人的、時間的にコストがかかります。また未知の領域ですので不確実性が高く、失敗に終わる可能性が高いのです。

一方の知の深化は、既存知の活用なのでその見通しが高く、コストやリスクも小さい。

短期視点で見ると、知の深化に注力した方が短期的に合理性があるのです。

結果、短期的な収益性が高まる一方で、企業の知の探索を損なわせ、中長期的にはイノベーションが低下していくことになるのです。

この状況をコンピテンシー・トラップと呼ばれています。

ですので、

企業がイノベーションを取り戻すには、自社を様々なレベルで「知の探索」方向に押し戻し、両利きのバランスを取り戻すことが重要

まとめ

両利き経営の必要性が理解できたかと思います。

いわゆるイノベーションのジレンマに陥ることは、知の深化に偏り、知の探索を実践できていなったと考えれます。

企業の資源が限られる中で、どうバランスを取るかが重要となると感じました。

詳細の内容はぜひ著書を一読していただければと思います。

以上、サクでした。

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