こんにちは、サクです。
早速ですが、管理職など役職が上がってくると、経営理論に興味がわいてきますよね。
しかし経営理論を学ぼうと思っても何の本を読めば良いか迷いませんか。

そんな時は、
世界標準の経営理論(入山 章栄著 ダイヤモンド社)
こちらでしたら最新の経営理論を網羅的にカバーしているので、この本を読んでおけば間違いないでしょう。
そういはいっても800ページ超とかなりのボリューム!
全て読み込むのにはかなりの時間が必要となります(^^;)
そこで今回は経営学を基盤とする経営理論の一部を要約してご紹介します。
①SCP理論
ポーターのファイブ・フォースモデルなどのフレームワークをご存じの方も思いますが、その元になった理論です。
SCPの本質は自社の競争環境をいかに完全競争から引き離し、独占の方向にシフトさせるか
このSCP理論をベースにした戦略フレームワークで有名なのが、
ポーターの「ファイブ・フォース」、「戦略グループ」、「ジェネリック戦略」です。
②リソース・ベースト・ビュー(RBV)
リソース・ベースト・ビュー(以下RBV)とは、企業は何かしらのリソース(経営資源)を投入し、そこからアウトプット(企業の製品・サービス)を生み出しています。
SCPはアウトプット側の構造・戦略を分析していますが、アウトプット側に着目するのがRBVとなります。
企業はリソースを独占していれば、アウトプット側を独占したのと同じように超過利潤を高められる
という考えが本質です。
⇒世界標準の経営理論② リソース・ベースト・ビュー(RBV)
③組織の経済学
組織が抱える構造問題の本質は何か、組織・個人がビジネス取引で直面する課題は何か
などSCP・RBVでは説明できない疑問に答えるのが、組織の経済学です。
アドバース・セレクションやエージェンシー理論、取引費用理論(TCE)などを学びます。
一見見慣れない用語も出てきましたが、中小企業診断士試験で学んだ内容です。
④ゲーム理論
ゲーム理論とは、例えば「相手がある行動を取ったら、自分はどう行動するか」あるいは「自分がある行動を取ったら、それに対して相手はどう行動するか」といった
自社の戦略変更が競合の戦略に影響し、また競合の戦略が自社の戦略に影響するなど、互いの意思決定の「読み合った」結果として何が起きるのかを考えるのが、ゲーム理論の中心課題となります。
⑤リアル・オプション理論
リアル・オプション理論とは、事業環境の不確実性を理解して、それを前提に少しづつ始めるという考え方です。
金融工学における事業評価手法で、変化の激しい事業環境の中での投資意思決定を考えるうえで重要な考え方となります。
オプション取引等を応用した考え方です。
DCF法が十分に取り込めなかった「事業環境の不確実性」を事業評価に活かす理論となります。
中小企業診断士試験で勉強したデシジョンツリー分析です。
多段階投資の場合などの正味現在価値の期待値を計算して、投資の有無を判断する手法ですね。
まとめ
この記事で紹介した理論のまとめです。
- SCP理論
- リソース・ベースト・ビュー(RBV)
- 組織の経済学
- ゲーム理論
- リアル・オプション理論
様々な理論がありますが、内容に述べられている背景があることを認識し、「思考の軸」として活用することで実務でも活用が深まると思います。
診断士が企業を診断していくうえでも、この「思考の軸」を意識して経営戦略を考えていく必要があるでしょう。
そのためにもぜひ本書を手に取って経営理論の知識を深めていきましょう。