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【マーケティングトレース実践②】オーケーの成長戦略

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【マーケティングトレース実践②】オーケーの成長戦略

こんにちは、サクです。

今回マーケティングトレース実施したのは、小売・スーパーマーケット業界の顧客満足度1位のオーケーです。

厳しい環境が続いているスーパーマーケット業界。その中でも33期連続増収しているオーケー。

顧客満足度は11年連続で1位となっています。

そんなオーケーがどのような成長戦略をとっているかトレースしてみたいと思います。







スーパーマーケットの販売額推移

2020年のスーパー業界の販売額は、新型コロナの影響で巣ごもり需要により、前年比113%増の14.8兆円でした。

出典:市場動向SEARCH.COM スーパー業界

2021年は、反動減もあるようですが、横ばいで推移しています。

オーケー直近の業績

オーケーの直近の業績は絶好調です。

33期連続して増収を達成しています。

経営目標が「借入なしで年率20%以上成長の達成」。そのため新規出店も積極的に行っています。

また、顧客満足度調査では11年連続で1位となっています。

出典:DIAMOND Chain Store

22年4~9月期の売上高は前年同期比3%増、売上経常利益率は5.4%と、食品スーパーの業界平均3.1%を上回っており、業績好調です。

STP分析

オーケーは競合他社と比較してどのような違いがあるのでしょうか。

STP分析から違いを考えてみます。

今回は埼玉県中心に展開しているヤオコーと比較してみたいと思います。

※ヤオコーは2023年3月期の連結営業利益は、34期連続の最高益となっています。

セグメンテーション/ターゲティング

地域的セグメンテーションでは、オーケーは出店地域を16号線内、つまり一都三県に集中しています。やはり人口が多く、人口減少時代にも売上が落ちづらいにエリアをセグメントしています。
そして日常使いで利用する単身・家族層をメインターゲットとしていると考えました。

※2023年秋には、東京銀座に出店予定です。物価高の影響と節約志向が東京都心の消費者にも及んでいることが背景にあり、出店戦略に更に磨きをかけています。

一方ヤオコーは地方で、広い駐車場スペースが取れ、車での来店できるエリアをセグメントしているようです。
土日に家族で車で来店して、まとめ買いを楽しむ家族層をターゲットしていると考えました。

ポジショニング

ポジショニングマップでは下記のように整理しました。

オーケーは日常使いで日々安く買い物をしたい層に向けた店舗づくりを、ヤオコーは広大な駐車場がある店舗で車で来店しやすい店舗づくりを行っています。

4P分析

4Pのフレームワークで分析します。

Product

商品は信頼できる高品質のナショナルブランドを中心に展開しています。商品の絞り込みは、品質は当然のこととして、価格交渉力の強いトップブランドを敢えてはずし、そのトップブランドに負けない良品を厳選しています。

Price

「Everyday Low Price」を徹底し、特売の実施をしていません。

『万一、他店より高い商品がございましたら、お知らせください。値下げします。』

のポスターを掲げ、ナショナルブランド商品に関しては、地域一番の安値を目指しています。そのためトップブランドでなくても、良品を大量購入して価格対応力を強化しています。

また競合店のチラシやを徹底的に調査して、負けていたら価格を合わせています。

レシート合計金額における平均購入点数と購入金額で見てみると、オーケーは平均単価は最も低いが、購入点数が一番多く、購入金額が一番高くなっています。

低価格を実現し、購入点数を増やして売上を増加させているんですね。

出典:DIAMOND Chain Store

Place

16号線内の一都三県を中心に、人口密度の高いエリアに積極的に出店をしています。

繁盛店を増やしていき、顧客が増えていくことが、価格交渉力が強まり、高品質・Everyday Low Priceの実現のためになるからです。

また幅広い出店計画と取っており、商業施設にテナントとして入るケースや単独の店舗のケースなど様々な店舗があります。

Promotion

特売を実施していないため、チラシなどの広告宣伝費が低いと考えられます。

売上原価率はヤオコーの方が低いですが、販管費はオーケーの方が低く、営業利益率はオーケーの方が高くなっています。これは物流センターの集約などの効果も大きいと思われますが、広告宣伝費が低く抑えれていると想定できます。

長年の価格に関する施策が、顧客に認知されている成果と思われます。

また店内のPOPは価格を訴求するよりも、野菜の保存方法や調理の仕方など、お役立ち情報を掲載しており、ついつい目がいく仕掛けをしていると考えられます。

オーケーの成長要因

オーケーの成長要因としては、

  • 経営ビジョンである「高品質・Everyday Low Price」の徹底
  • 積極的な出店により集客力を高め、コスト競争力を強化
  • 価格施策の顧客の浸透

経営ビジョンである「高品質・Everyday Low Price」を徹底させることが全ての施策のスタートと考えれ、ここに拘り続けられることが一番の強みと感じました。

そして戦略的思考にて、

「目的(経営ビジョン) ⇒ 戦略(高品質の商品) ⇒ 戦術(どこよりも安く)」

としっかり下方展開していると感じました。

もし自分がオーケーのCMOだったら

ここからは、自分がオーケーのCMO(チーフマーケティングオフィサー)だったらという目線で考えます。

都市型の店舗であるので郊外型と比較して、Webに対する施策も響きやすいと想像しました。SNSなどを利用したWebマーケティングで何かしらの施策を実施する余地があるのではと考えます。

特定品の販売情報はSNSで発信するなど、です。

2022年6月時点でインスタグラムのフォロワー人数が6500人と、企業規模としてはまだまだ伸ばせる余地があると思います。業界的にはインスタグラムと相性が良さそうですので、インスタを活用した更なるついで買いを促す施策を検討していきたいところです。

中小企業が参考にできる戦略

今回オーケーを分析していて感じたことは、経営ビジョンへの拘りです。経営ビジョンを実現していくために全ての施策が連動していました。

掛け声だけで終わりがちな経営ビジョンですが、経営トップが拘りを持ち続けていくことが重要と感じました。

実際に経営ビジョンが浸透している企業は好業績を残せています。

今一度経営ビジョンを真剣に考え、社員に浸透させる活動をしてみてはいかがでしょうか。

以上、サクでした。


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