こんにちは、サクです。
今回は、
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
(角川書店 森岡 毅 著)
についてご紹介します。
マーケティングに興味がある方は、一度は目にしたことがあると思われるかの有名な森岡さんが書かれた本です。
この本を書かれた2016年は、ユニバーサルスタジオジャパンのCMOを勤められていました。
ちなみにCMOとはチーフマーケティングオフィサー(Chief Marketing Officer)の略で、最高マーケティング責任者のことです。
マーケティング業界で知る人ぞ知る方の本書は、マーケティングの基本から戦略的思考を学ぶことができます。
そんな本書を読んだ感想を述べてみたいと思います。
この記事はこんな方向けに書いています。
・マーケティングに興味がある方
・戦略的思考を学びたい方
・中小企業診断士2次試験受験者
この本を読んでいないのは、マーケティングだけでなく、ビジネス思考の伸ばすことの機会を失っていることになるかもしれませんね。
本を読むきっかけ
いまデジタルマーケティングを勉強しており、お勧めの書籍をググると必ずでてくる本書。
また読書会に参加すると紹介されていました。
やはりこれは読まずにはいられないと思い、アマゾンでポチッと購入。
読み進めていくとマーケティングの基本や考え方、USJでの具体的な事例など、この一冊読むだけでもマーケティングの概略が分かります。
もともと学生のお嬢さんでも分かるようにと書かれていますので、入門書として読んでいただきたい一冊です。
著者紹介
著者の森岡 毅さんは、シャンプーなどで有名な消費財メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)出身。世間で言われているマーケティング業界でのエリート集団「P&Gマフィア」の一人です。
大学卒業後、1996年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャーなどを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。窮地にあったユニバーサルスタジオジャパンをV字回復させる。
2017年に同社退社後、世界発のマーケティングノウハウのライセンスカンパニーである株式会社刀を設立。代表取締役CEOに就任。丸亀製麺などの業績回復にも貢献。
P&Gは、数々の有名マーケターを輩出
スマートニュースをユニコーン企業まで成長させた西口一希さん
マクドナルドを復活させ、現ファミリーマートCMO 足立光さん
など様々な分野で活躍されています。
P&Gは「消費者はボス」という哲学が徹底しており、本書でもその点が触れられています。
引用:https://katana-marketing.co.jp/member/
本の概要
経営危機に落ち込んでいたUSJ。
そんなUSJがなぜ復活し、大成功をおさめることができたのか。
それはUSJがマーケティングを重視する企業になったことにより、劇的に変化したことによります。
そしてマーケティング思考を学ぶことにより、全ての仕事の成功確率を高めることができるという考え方が書かれています。
グッときたところ
本書は、企業がマーケティングの考えを取り入れ、それによる施策を徹底的に実践し、予算がない中でもV字回復ができるという事実と考え方に、腹落ちする内容が多かったです。
その中でグッときたところとしては以下となります。
マーケティングの本質とは何か
色々な会社の商品・サービスがある中で、繰り返し買ったり使ったりしますよね。
それはこちらの期待を上回る商品・サービスは印象に残り、結果リピートし続けているのです。
マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。
消費者と商品の接点を制する(コントロール)することで売れるようするということです。
コントロールすべき消費者との接点は主に以下の3つです。
- 消費者の頭の中を制する。
- 店頭(買う場所)を制する。
- 商品の使用体験を制する。
特に消費者の頭の中に自社ブランドが選ばれる必然を作ること = ブランディング
がマーケティングの最大の仕事となります。
自社ブランドの認知率を高めて、選ばれる必然になるようなブランド・エクイティーを意図的に構築することが重要となります。
戦略的思考を学ぶ
マーケティングには戦略的思考が必要とのことです。
誰に、何を、どうやって売るかを考えるからですね。
戦略(Strategy)とは、目的を達成するための資源配分の選択ことです。
マーケティングのでの戦略的思考は以下となります。
- 目的:OBJECTIVE(達成すべき使命)
- 目標:WHO(ターゲットは誰か?) 、目的を達成するために資源投入する的
- 戦略:WHAT(何を売るのか?)
- 戦術:HOW(どうやって売るのか?)
戦略的思考は必ず、「目的 ⇒ 戦略 ⇒ 戦術」と下方展開します。
ですので、最初に目的を明確にすることが重要。
戦略は目的達成のために存在するので、目的が変われば全ての戦略、戦術もやり直しになります。
そして戦術よりも先に戦略を明確にすることです。
目的 ⇒ 戦略 ⇒ 戦術 の順番で考える
そしてマーケティング・フレームワークに落とし込むと
戦況分析(5C分析) ⇒ 目的 ⇒ WHO ⇒ WHAT ⇒ HOW
となります。
消費者理解の重要性
マーケティングは消費者理解に始まって消費者理解に終わります。
解決策の切り口は、ほとんどの場合において消費者理解に中にうまっているもの。
自社ブランドやカテゴリーの文脈の中で消費者心理をちゃんと理解できているかどうか、更にはビジネスの文脈を超えて、消費者心理を人として包括的に理解できているかどうかなのです。
P&Gの「消費者はボス」という哲学は、消費者心理に解決策があるという考え方に基づいているんでしょうね。
WHATやHOWよりもWHOが大切
まとめ
具体的なマーケティングの考え方はぜひ本書を読んでいただけたらと思います。
マーケティングを目指す人には必読の書ですね。
また具体的事例として「ハロウィーン・イベント」の成功は、マーケティング思考におけるWHO、WHAT、HOWが全て上手に組み合わさった好事例です。
中小企業診断士2次試験受験者の方は、マーケティング知識を深く学べますし、ケーススタディとして読まれても良いと思いますので、余裕があれば手に取っていただきたい一冊です。