こんにちは、サクです。
11月4日の米連邦準備理事会(FRB)にて、11月からの量的緩和の縮小(テーパリング)が決定しました。
テーパリングの年内開始は、もはや市場でのコンセンサスとなっていましたが、市場に影響がどうでるか注視していました。
量的緩和の縮小(テーパリング)とは
そもそも量的緩和の縮小(テーパリング)とはどのようなものなのでしょうか。
テーパリング(Tepering)は、金融政策において、量的金融緩和の縮小のことをいいます。これは、中央銀行の量的金融緩和による毎月の資産購入の規模を徐々(段階的)に縮小していき、最終的に資産購入額をゼロにしていくことを指します。
引用:iFinance
米国で2020年に新型コロナウイルスによる経済への影響を最小限にするため、中央銀行が国債や住宅ローン担保証券などを購入し、市場に出回る資金を増やすことで金利低下を促す経済回復を行いました。
毎月以下以下の金額の債券を購入してきました。
- 米国債800億ドル(約9.1兆円)
- 住宅ローン担保証券(MBS) 400億ドル(約8兆円)
2021年に入り、ワクチンの普及により経済が急回復してきており、また原油価格の上昇やサプライチェーンの混乱によりインフレ率も5%程度まで上昇してきています。
本来目標値であるインフレ率2%に抑えるためにも、金融緩和策の正常化を目指し、債券購入を少しづづ抑えていく動き(テーパリング)をする必要がでてきているのです。
そして市場はその開始時期を注視していました。
量的緩和の縮小(テーパリング)の内容
今回のテーパリングの内容は以下の購入月金額を減らしていき、22年6月にゼロとする計画です。
- 米国債100億ドル
- 住宅ローン担保証券(MBS) 50億ドル
テーパリング中はペースを落としつつも追加で資金供給は続いていきます。
また国債の償還分などを再投資して資産規模は保たれます。
市場への影響はどうだったか
テーパリングが開始されると、少し市場がギクシャクするかと予想していましたが、まさかの落ち着いた動きで、株価も上げています。
パウエル議長の市場とのコミュニケーションが上手くいったのですかね。
また金利も上昇するかと思いきや、金利は下げています(^^;)
長期金利は市場がインフレをどう見ているかが影響されるので、11月初旬の時点では今の高インフレは一時的なものと考えているようです。
理由としては以下が考えられています。
- 原油価格が下落し始めていること
- サプライチェーンの混乱がピークアウトし始めている
- 雇用が戻りはじめていること
しかしコロナ感染もどうなるかは予断を許しませんし、原油も増産する気配がないので、状況次第でインフレが高まるかもしれません。
利上げのタイミングは?
次の市場の注目は利上げのタイミングです。
株価と金利は密接な関係があります。
一般の金利が下がれば株価が上がり、金利が上がれば株価は下がります。シーソーのような関係にあるのです。
https://sakutetsu.com/stock-6/
パウエル議長は現在のインフレは「一時的」との見方は変えずに、利上げは時期尚早とのしています。
現在のコンセンサスとしては以下の通りです。
22年6月頃に1回、22年年末に1回の計2回
今後の投資行動について
11月、12月、1月はアノマリー的に株価が上昇しやすいシーズンと考えられます。
金利が下がればグロース株には有利になりますが、どうなるか分からないので手を出しづらいですね。
またサプライチェーンの混乱により、クリスマス商戦に買いたいものがないなんてことになりかねない状況です。
その代わりにコト消費に資金が回り、ホテル、観光、航空などに資金が集まりそうです。
引き続き資源高により原油株なども高そうです。
個別株の選別が難しくなっていますので、当面はVTIなどのETFを購入しようと考えています。