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【要約】世界標準の経営理論⑧ 知の探索・知の深化の理論 2

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【要約】世界標準の経営理論⑧ 知の探索・知の深化の理論 2

こんにちは、サクです。

今回は、世界標準の経営理論(入山 章栄著 ダイヤモンド社)についてご紹介します。

ボリュームが多い本ですので、今回は知の探索・知の深化の理論、つまり「両利き経営を進めるには」についての要約です。

両利き経営とは

両利き経営を進めるためには、知の探索と深化のバランスが必要となります。

人・組織は認知に限界があるので、知の探索をして認知の範囲に出て、知と知を新しく組み合わせる必要がでてきます。

一方で、そこで生まれた新しい知は徹底的に深掘りされて収益化につなげる必要が出てきます(知の深化)。

この探索と深化が高いレベルでバランスよくできることを、両利きの経営と呼ばれています。

しかし、探索にはコスト・時間等の負荷がかかり、不確実性も高くなります。そのため組織としては知の深化に偏る傾向があります。
その結果として、知の探索が進まずにイノベーションが起こらないという結果となるのです。

両利き経営を進めるためには

それでは知の探索を促し、両利きのバランスの良い経営を行うにはどのようにすれば良いか。

組織を構造的に「知の深化部門」と「知の探索部門」に分けることが考えれます。

そして新しい部署としての知の探索部門がワークするためには、

①新しい部署に必要な機能(開発・生産・営業など)をすべて持たせて、独理性を保たせること

②トップレベル(担当役員レベル)では、その新規部署が既存部署から孤立しないように、両者が互いに知見や資源を活用しあえるように交流を促すこと

が重要となります。

人材の多様性(ダイバーシティ)

組織レベルの知の探索でもう一つ重要なことは、人材の多様性(ダイバーシティ)と考えれます。

組織内に多様な人がいれば、離れた知と知の新しい組み合わせが組織内で起こり、新しい知が生まれやすくなります。

それでも現在いる組織が多様性がある組織と言い難い時はどのようにするべきか。

著者は、「ダイバーシティは一人でもできる」と述べられています。

一人の人間が多様な、幅広い知識や経験を持っているのなら、その人の中で離れた知と知の組み合わせが進み、新しい知が創造できると考えられるからです。

個人レベルでの知の探索ですね。

転職などで、まったく異なる分野に進むことも一つの知の探索につながります。

知の探索に適切な幅

では、どの程度の範囲まで知の探索を拡げれば良いか。

イノベーションには2種類の異なる成果があります。

①きわめて技術的なブレークスルーなアイデア

②経済的な価値を生み出すアイデア

最終的には利益を生み出すために、②のアイデアにつなげるために、①が必要となります。

経済学者の研究によると、①を生み出すのはやや狭い範囲の知の探索で、②を生み出すのは広い範囲の知の探索であるという結果がでたとのことです。

確かに現場レベルではこのような結果となりますが、上位ランクの経営サイドでは、①の可能な限り、広く遠くの知まで探索した方が良いと考えれます。

そして重要なことは、知の探索を小さな仕掛けから始めて、それを繰り返し慣れることで、広範囲な知の探索ができるようになる、ということを意識していくことです。

まとめ

両利き経営をどのよに進めていくかが理解できたかと思います。

まずは個人でも小さな仕掛けから始めて、それを続けていくことが重要となります。

参考になる事例も多く記載されていますので、詳細の内容はぜひ著書を一読していただければと思います。

以上、サクでした。

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