こんにちは、サクです。
今回は、
会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカー500年の物語
(日本経済新聞出版社 田中 靖浩 著)
についてご紹介します。
皆様は財務・会計は得意ですか?
私は簿記を勉強しようと思いながら、何度も挫折してしまいました(^^;)
診断士試験で財務会計がありますが、財務(ファイナンス)はまだ会計(アカウンティング)は苦手でした。
実際に財務・会計に苦手意識がある方は多いと思います。
本書を読んでも財務・会計が得意になるわけではありませんが、苦手意識がある方が財務・会計を大局的に楽しく学んで全体像を知り、興味を持つにはもってこいの本です。
会計を深く学ぶたくなりました。
この記事はこんな方向けに書いています。
・財務・会計に苦手意識がある方
・これから財務・会計を勉強しようと思っている方
・経営者(会計ルールや仕組みが存在することの意味を知る)
本書の特徴
本書の特徴は以下2点です。
- 会計の歴史を物語として表現したこと
- 簿記、会計、ファイナンスの全体を紹介したこと
細かい数字や計算はいっさい登場しません。
会計の全体像を、歴史とともに楽しく学べます。
著者紹介
田中靖浩公認会計士事務所所長。
産業技術大学大学院客員教授。
ビジネススクール、企業研修、講演などで「笑いが起こる会計講座」の講師として活躍する一方、落語家・講談師とのコラボイベントを手掛けるなど、幅広くポップに活動中。
会計を「大局的に・楽しく」教えてられています。
別書、「教養としてのお金とアート」を読んでいますが、そちらも会計とアートを関連づけた内容で面白いです。
グッときたところ
本書は「会計の全体像を、歴史とともに楽しく学べる」をコンセプトに書かれています。
小難しい用語や手続きなどは一切でこないのですが、絵画や世界史とを関連づけながら、会計ルールの誕生エピソードや会計の歴史が飽きることなく学べます。
第1部 簿記と会社の誕生
第1部は、簿記の発明と株式会社の誕生を3枚の絵画を関連づけて語られています。
簿記はイタリアで生み出されたことや銀行(バンコ)の発祥であることはご存知でしょうか。
今のイタリアからはイメージしずらいですが、当時はヴェネツィアやフィレンツェは貿易で栄えていましたから、簿記や銀行の発祥になったんでしょう。
レオナルド・ダ・ヴィンチと会計との関連性があったことも興味深く学べます。
第2部 財務会計の歴史
第2部は、蒸気機関車、蒸気船、自動車の3つの発明と財務・会計との関連性を知ることができます。
鉄道会社が登場したことにより、大規模な資金調達や、会計の計算や報告の仕組みが変容してきました。
会社の規模が大きくなることによって、資金調達方法も変わってきますし、投資家保護のルールも統一する必要がでてきます。
流動比率でよく言われる「200%以上が望ましい」と言われていますが、この高すぎる数字も、当時の会計報告の不正確性の時代に「たとえウソがまじっていても、200%あれば大丈夫だろう」という名残なんて、面白いですよね。
第3部 管理会計とファイナンス
第3部は、3つの名曲と管理会計とファイナンスが生まれた背景が語られています。
モノではなく、サービスや楽曲がカネを生む時代になって、管理会計やファイナンスの新分野が生まれました。
マイケル・ジャクソンがビートルズの著作権を高値で買った行為は、著作権から将来生みだされるキャッシュフローを計算するDCF法で説明されると納得感がでてきます。
まとめ
本書は400ページを超えますが、読み物としてスラスラ読めます。
簿記、財務会計、管理会計、ファイナンスについて、その仕組みがわかるようになります。
本書を読んで財務・会計の仕組みをざっくり学んで、本格的に学んでみてはいかがでしょうか。
https://sakutetsu.com/case-study-2/